協働ロボットって?ロボット・機械・人の安全を守る仕組みを紹介
人と機械・ロボットが協働するってホント!?
協働ロボットとは?
協働ロボットとは、人と同じスペースで稼動するロボットのこと。
近年では、人の手を避けて物をつかむ・運ぶことができるロボットも開発されている。
橋本先生:前回、紹介した産業用ロボットは、安全柵の中など人が入れないスペースで稼働することが多いんだ。でも、協働ロボットは、人や障害物と接触・衝突した場合にセンサーが働き、外力の大きさによって停止する仕組みになっているんだ。このように、人に危害を加えるリスクが規格に沿って低減されているから、人がいる環境でも稼働できるんだよ。
はまちゃん: 少子化や人手不足が叫ばれているから、産業用ロボットと協働できたら生産性が上が りそうですね︕
非常時のロボット・機械・人への安全対策は︖
はまちゃん: ロボットと協働できるのは素晴らしいですが、もし電源が落ちるような非常事態が起こってしまったら、危険なのではないでしょうか︖
橋本先生:そうだね。非常時に備えた対策はJIS(B 8433-1:2015) で決められているよ。
・一つ以上の非常停止機能をもたなければならない
・手動で始動できる非常停止機能を備えなければならない
【参考】JIS 規格 https://kikakurui.com/b8/B8433-1-2015-01.html
このように、人に危害を加えない構造、衝撃を感知できる安全システムが構築することが規定され ているんだ。そこで活躍するのが、ロボットの要素で紹介した非常用ブレーキ(▶ 無励磁作動形ブレー キ) なんだ。
ロボット・機械・人の安全を守る無励磁作動形ブレーキ
無励磁作動形ブレーキとは︖
無励磁作動形ブレーキとは、通電していない時に作動する非常用ブレーキのこと。
※詳しくはこちら ▶ 電磁クラッチ・ブレーキとは︖
無励磁作動形ブレーキは活躍する場面は︖
はまちゃん:産業用ロボットに置き換えると、無励磁作動形ブレーキはどのような場面で活躍する のですか︖
橋本先生:ロボットが緊急停止した時に無励磁作動形ブレーキは活躍するよ。緊急停止時に無励磁作動形ブレーキが作動して、ロボットの関節部分を動かなくするんだ。だから、アームが人や機械に当たる危険を防ぐことができるんだね。
はまちゃん:安全対策がきちんと行われていて安心しました。 無励磁作動形ブレーキはロボットには欠かせない製品なのですね︕ そういえば、技術部の先輩が無励磁作動形ブレーキを小型・軽量化しながらトルクを上げる方法を 考えていました。ロボットの仕組みに生かされているのですね︕ もっと勉強して、先輩たちに追いつかなくちゃ︕
橋本先生 / 三木プーリ株式会社
1972 年三木プーリ株式会社 入社。プロダクトマネージャーとしてマー
ケティング・技術を担当し、国内外問わずに活躍。
さらに、企業のみならず大学や専門機関との共同研究にも従事。
現在は、技術指導・社員教育も担当。