摩擦式締結具(ETP & ポジロック)
軸とハブとの結合は慣例的にキーとキー溝によって行われていました。しかし、この方法は、材質の高品質化や高い加工精度、組み立て時の位置あわせなど問題を多く抱えています。これらの問題を解決するのが、摩擦による結合を提供するETPブッシュです。
ETPブッシュはキーを使わずに摩擦で結合する製品で、キー結合の欠点や難点を一挙に解決しました。機構は大別するとハイドロ方式(油圧式)とメカ方式(くさび式)の2種類があり、シンプルで小形・軽量、着脱が簡単、正確な位置決めと割出しが容易、設計から組み立て・調整・メンテナンスまでの作業が大幅に省けるといった長所があります。
※ETPはETP Transmission AB の登録商標です。
摩擦式締結具(ETP & ポジロック)製品一覧
ETPブッシュ(ハイドロ方式)
独自のハイドロ方式(油圧式)がボルト1本の結合を実現。軸とハブをキーを使わずに摩擦で結合します。
※ETPはETP Transmission AB の登録商標です。
ポジロック(メカ方式)
テーパによるメカタイプの軸ロックで、クランピングボルトの締め込みによりテーパ面のくさび作用で軸とハブは完全に締結されます。
摩擦式締結具について
摩擦式締結具の種類と特徴
- くさび方式(メカ方式):安価で汎用性が高いですが、取付けや取外しに手間や時間がかかります。
- ハイドロ方式(油圧方式):くさび方式に比べて若干高価ですが、メンテナンス性がよく取付けや取外しが簡単・迅速かつ高精度です。
種類 | 写真 | トルク | 作業性 | 位置決め 精度 |
同心性 | 価格 | 公差 | 温度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
くさび方式 | ◎ | △ | △ | △ | ○ | ◎ | ○ | |
ハイドロ方式 | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | △ | ○ | △ |
○:適合 △:用途によって適合
↓更に詳細な摩擦式締結具の特徴・種類を示したものを以下のリンクからご覧いただけます。お客様の選定に役立つ情報を掲載しています。
摩擦式締結具の使用事例
摩擦式締結具の特徴に合わせた使用事例をご覧頂けます。
- 使用設備ペットボトル成形機
- 使用型式ETP-T
- 金型固定軸とインデックス供給部の軸締結にETPブッシュ。ボルト1本での締結により、調整時間の大幅な短縮が可能に。
- 使用設備食品加工機
- 使用型式ETP-E R
- 食品加工機にETPブッシュステンレス仕様。洗浄の必要な箇所や水のかかる箇所への採用が可能です。
- 使用設備製本機
- 使用型式ETP-A
- タイミングプーリの固定にETP-Aモデル。
- 使用設備ベルトシステム
- 使用型式ETP-A C
- 複雑なタイミングベルトの位置あわせにETP-Aモデル。
- 使用設備駐車場
- 使用型式PSL-K
- 遮断棒の位置合わせと固定にポジロックPSL-Kモデル。
摩擦式締結具のカスタマイズ事例
三木プーリでは、カスタム品や完全受注生産品も多く取り扱っており、特にカスタマイズはほとんどの製品でご提供できます。お客様個々のご要望にキメ細かくお応えするために、柔軟な体制を整えています。
- カスタマイズ事例スリッターナイフホルダーへの応用例
- 油圧式スリッターナイフホルダーです。ブリキや鉄板、アルミ、紙などの切断に使用されている回転ナイフを任意の位置に締結するホルダーで、軸方向の位置決めを任意にボルト1本で行うことができます。着脱による面振れの再現性はμmでの精度を維持することが可能です。
- カスタマイズ事例ギア一体型への応用例
- ギアを一体構造とすることで非常に高精度の同心性が確保でき、軸方向・かみあい方向に容易な位置決めが可能となります。
- カスタマイズ事例ご要望に応じたスリーブ長さに対応
- ご要望に応じて標準タイプよりスリーブ長さを短くすることで相手取り付けハブの薄い部品にも対応可能です。
- カスタマイズ事例保持用冶工具への応用例
- 組み立てや加工用のホルダーとして、作業台などに設置することで安定した作業が可能になります。また、部品保持位置の再現性がきわめて高く設定が可能です。
- カスタマイズ事例座グリ穴やタップ穴の追加工
- 装置へ設置する際、ETPの位置決めの為に座グリ穴を追加工することが可能です。
※追加工位置に関しては当社へお問い合わせください。
- カスタマイズ事例Dカット形状への応用
- 装置へ設置する際、干渉する部分について追加工を施し干渉を避けることが可能です。例えばDカットなど。
※Dカット位置に関しては当社へお問い合わせください。