機械のベルト、チェーンの緩み・たるみの原因とは?
ベルトやチェーン部分から異音が聞こえてきたり、緩み・たるみが発生することがあります。
それらはどんな原因で発生しており、どんな調整や対応が必要になるのでしょうか?
まず知るべきは動力の伝達方法
ベルトやチェーンの緩みやたるみの原因を探る前に、まずは機械がどのように動力を伝達しているかを
考えていきましょう。
動力の伝達方法はカップリングはもちろんのこと、ベルトやチェーンで駆動側の動力を伝達する方法が
一般的です。
またベルトやチェーンの伝達方法は種類ごとに異なり、伝動方法は「かみ合い伝動」と「摩擦伝動」の2種類に分かれます。
【動力の伝達方法】
ベルトの緩みの原因
ベルトの緩みは、ベルトの張力が不適切な場合や、起動停止の衝撃負荷、経年変化によりベルトが伸びることが原因で、
これにより「スリップ」が発生し、伝達効率の低下や発熱による寿命の低下を招きます。
チェーンのたるみの原因
チェーンのたるみはチェーンの張りすぎや初期伸び(0.1%)により発生し、「歯飛び」や振動の原因になります。
ベルトの緩みはロスタ/テンショナーを使って「張力を維持すること」で解決できます。
ベルトの張力維持のためには、機械にあったベルトを選定し、定期的に張力の調整が必要です。
テンショナーを活用すると、メンテナンスフリーで、適正張力をかけ続けることができます。これは寿命アップにも大きく繋がります。
チェーンの緩み・たわみはロスタ/テンショナーを使って「適切な張りを持たせること」で解決できます。
振動・歯飛びの発生を防止するためにチェーンも定期的なメンテナンスが必要です。
テンショナーを活用すると、メンテナンスフリーで張力調整が可能です。
ロスタ/テンショナーの使用例
ロスタ/テンショナーとは?徹底解説
ロスタ/テンショナーの特長
ロスタは一般的に「揺動・防振・緩衝装置」と呼ばれる機械要素部品です。
揺動運動を確実に伝達でき振動、騒音を吸収し、衝撃荷重に強く耐久性に優れる、多目的で多機能な緩衝装置です。
ロスタについて、詳しくはこちら▶
ロスタ/テンショナーの取り付け方法
ロスタ/テンショナーの取り付け角度は0~15度内で、ベルトやチェーンの適正張力になるように取り付けてください。
また、駆動部にあわせて取り付け位置を変更することで、振動発生等を抑えることができます。
テンショナーは常にチェーンまたはベルトのたるみ側にセットしてください。正逆回転の場合は両側にセットしてください。
ベルトやチェーン購入の際にはサイズを確認し、ベルトやチェーンが張りやすいものを選択してください。
①包装機メーカー (製造技術・設計開発)
【使用事例】
自動定量袋詰機の動力伝達部
(ベルト駆動)の張力維持
【採用経緯】
以前は固定式のテンショナーを使用しており、
たるみが発生したら都度調整をしていました。
テンショナーはたるみに合わせてテンションを張ることが
でき、メンテナンスが非常に楽になりました!
②半導体製造装置 (設計)
【使用事例】
搬送チェーンのテンショナー
【採用経緯】
熱で伸び縮みするチェーンにも適切なテンション
を加えられる点に魅力を感じ採用しました。
省スペースでボルト一本で取り付けが可能なことも気に
入っています。
③食品機械メーカー(設計・営業技術)
【使用事例】
乾燥機(振動コンベア)
【採用経緯】
スプリング方式を採用中でしたが、完全一体型の
ロスタテンショナーに置き換えることにより、部品点数が減り、
取り付けも楽になりました。また「がたがた」といった騒音も
解消することができました。